丸い身体に大きな瞳が特徴のアザラシ。
ゴマフアザラシはアニメでも人気ですね。ゆったりのんびりしたイメージが強いアザラシですが、実は肉食で人間をも襲う凶暴な種もいます。
アザラシはどんな動物なのでしょうか。またなぜアザラシという名前なのでしょうか。
名前の由来
アザラシには体に斑点があります。アザラシという名前はこの体の模様に由来しているようです。
ラ…之
シ…獣
それぞれの言葉の意味はこのようになっていて、「痣のある獣」として「アザラシ」と呼ばれるようになりました。
漢字でアザラシは「海豹」と書きますが、これも「海に棲む豹のように斑点がある生き物」として名付けられました。
アザラシの生態
大きな体を軽々動かして移動する姿は印象的ですよね。いったいどれほどの大きさなんでしょうか
大きさ
体長約1.2m体重約50㎏のワモンアザラシから、体長約4.2m体重約3700㎏のミナミゾウアザラシまで、アザラシの大きさは種類により様々です。
前足後足
前足と後足にはそれぞれ爪があり、ヒレのようになっています。地上での移動は前足とお腹を使って這うように動きます。
水中では後ろ足を左右に動かして泳ぎます。
肉食
アザラシは肉食です。魚・イカ・タコ・エビ・カニなどを食べ、ヒョウアザラシという種類は別のアザラシやペンギン・オットセイの子なども食べます。
ヒョウアザラシは人間を襲ったこともあるという記録もある危険なアザラシです。
潜水時間がとても長い
アザラシは陸での移動が苦手で、出産時などを除くとほとんどを海中で過ごしています。
そしてとても長い時間、とても深いところまで潜ることができます。
その長さは120分、深さは1700mにも達するといわれています。
約2時間も息継ぎせず海中にいられるなんて、驚きの生態ですね。
助け合って子育て
アザラシは高い社会性を持った生き物で、母親同士助け合って子育てをします。
母アザラシが海にエサを捕りに行っている間、子供たちは一か所に集められて、世話役のアザラシが子供たちの面倒を見たり敵から守ったりするのです。
助け合いが普通なのか
母親がいなくなってしまった子供のアザラシを他のアザラシが面倒を見て育てることもあるようです。
協力して子育てする体制はまるで人間の社会のようですね。
鰭脚類とは?
鰭脚類とは、「ききゃくるい」と読み、海に棲む哺乳類のグループのひとつです。
「ヒレ脚類」ともいい、文字通り足がヒレ状に変化した生き物のことをいいます。
セイウチの仲間、アシカの仲間、アザラシの仲間に大きく分けられますが、姿がよく似ています。
クジラなどの生涯を海中で暮らす哺乳類と違い、出産や子育てを陸や氷の上で行うのが特徴です。
大きな牙のセイウチ
アザラシと同じ鰭脚類の生き物の中でも見分けやすいのがセイウチです。
大きな牙が特徴的でこれがあればセイウチと分かります。
オスにもメスにも牙は生えています。
顔周りのヒゲ
セイウチやアザラシの顔周りのヒゲは、とても敏感で感覚器官の役割を持っています。
私たちの手のようにヒゲを使っていろいろなことを探っているようです。
セイウチの名前の由来
セイウチはロシア語で「トド・アシカ」を意味した「sivuch(シヴーチ)」という言葉が変化した言葉です。
同じ鰭脚類のトドやアシカに似ていたことからこのような名前がついたのですね。
水族館以外でも見られるアザラシ
アザラシや同じ鰭脚類の生き物セイウチについて解説しました。
アザラシは水族館に行かないと見られないイメージがありますが、実は日本の海で見られる場所があります。
ゴマフアザラシやゼニガタアザラシ、ワモンアザラシ、クラカケアザラシ、アゴヒゲアザラシは北海道の知床やオホーツク海沿岸地域、えりも岬などで見ることができます。
ゼニガタアザラシは年間を通して見られるようですよ。
海面からひょっこり顔を出すアザラシ、見に行ってみたいですね。