ビーバーのような体に大きなくちばしが付いた生き物、それがカモノハシですね。
水族館や動物園で見られることも少ない、珍しい生き物の一つです。
このカモノハシ、動物好きの人には有名ではありますが実は不思議な特徴をたくさん持っているんです。
知れば知るほどに気になる存在になっていくカモノハシ、その生態や名前の由来とはどんなものなのでしょうか。
このページの目次
カモノハシの名前の由来
カモノハシという名前は和名
ノハシ…くちばし
という意味で、「鴨のようなくちばしがついた生き物」ということでカモノハシと名づけられました。
くちばしが特徴的ですが、それが名前の由来にもなっているわけですね
カモノハシの英名
カモノハシの不思議な生態
カモノハシはくちばしを持っていますが、鳥類ではなく哺乳類です。
カモノハシ目カモノハシ科に分類され、哺乳類ですが卵を産みます。
歴史の古い「生きた化石」とよばれています
主な特徴
カモノハシのくちばしは、固くありません。鳥のくちばしとは異なり、ゴムのように柔らかいのです。
手足に水かきがついていて、水の中を泳ぐのに適した形となっています。
優れた機能の持ち主
尻尾が大きく、泳ぐときに舵として利用したり、巣の材料を運んだりすることに使います。
体毛が二重になっていて、外側は分厚く防水性に優れ、内側は保温性に優れた体毛となっています。
肛門と尿道と産卵が同じ穴で行われる単孔類の生き物です。
卵を産み母乳で育てる
カモノハシは哺乳類でありながら、卵を生み、母乳で育てる珍しい種類の生き物です。
カモノハシの他にはハリモグラだけが、このような繁殖と子育てをします。
産卵後卵はメスのお腹で10~12日間ほど温められ、赤ちゃんが生まれます。
メスの親は母乳を出しますが乳首は無く、母乳の染みたお腹周辺の体毛を赤ちゃんカモノハシがなめることで、母乳を摂取します。
不思議に思える特徴
子は約5,6ヶ月で卒乳し、エサを取る練習を始めます。
くちばしを持ち、卵から生まれるけれど鳥類でも爬虫類でもなく哺乳類で、子供を母乳で育てる。これだけでもカモノハシは不思議がいっぱいですね。
カモノハシの生態
どんなものを食べるの?
電気のセンサーで目を使わず捕食
カモノハシは肉食動物で貝やエビ、昆虫などを食べます。
水中でエサを探しますが、水中では目を瞑っています。目を使わずに捕食するのです。
くちばしに秘められた特徴
どうしてそんなことが可能なのでしょうか。
カモノハシにはくちばしに密集した約4万個の電気センサーで獲物の発する生態電流をキャッチして捕食するという能力があります。
この能力は、エレクトロ・ロケーションといいます。
カモノハシの他にはデンキウナギやミツバチなど、一部の特殊な魚や昆虫にしか使えない珍しい能力です。
オスは毒針を持っている
カモノハシのオスは後ろ足に毒針を持っています。
外敵や他のオスと戦う時、交尾の時にこの毒針を使います。
毒があるのは独特
毒を持つ哺乳類は非常に珍しいです。
この毒はマムシの毒と同じカテゴリーに属し、犬が命を落とすほど強力な毒といわれています。
どこで見られるのか?生息地は?
カモノハシは長距離の移動で弱ってしまう性質のため、動物園や水族館で見られることも稀です。
生息地はオーストラリアの東部のみです。
オーストラリアまでいけば、カモノハシが見られるかもしれません。
カモノハシの仲間はネズミでもモグラでもないハリモグラ
カモノハシに似た生態を持つ仲間にハリモグラという生き物がいます。
ハリモグラという名前ですが、ネズミでもモグラでもハリネズミでもありません。
このちぐはぐな名前からしてもう、めずらしいカモノハシの仲間という感じがしますよね。
見た目はハリネズミそっくりのハリモグラ
ハリモグラはカモノハシ目ハリモグラ科に分類されます。
見た目はハリネズミのようで、背中がトゲで覆われていて、口が細長く伸びています。
その口から長い舌を出しアリやシロアリを食べて生きているのです。
その特徴から、トゲの生えたアリクイという意味の「スパイニーアントイーター」とも呼ばれます。
カモノハシと同じ単孔類
ハリモグラもまた、肛門・尿道・産道が一つの穴で行われる単孔類です。
そしてカモノハシと同じく卵を産み、子供を母乳で育てます。
モグラなのか?
単孔類の生物はカモノハシとハリモグラだけで、ハリモグラもまた「生きた化石」とよばれています。
名前はハリモグラだけど、見た目はハリネズミのようで、でもモグラでもネズミでもハリネズミでもなく、カモノハシと同じ単孔類に分類される。
ハリモグラもまた、不思議でおもしろい生き物ですね。
カモノハシとハリモグラ
カモノハシのその仲間のハリモグラについて解説しました。
くちばしがあるけれど鳥類ではなく哺乳類で、哺乳類だけど卵を産み、卵が孵れば母乳で育てる。毒針を持ち、目を使わずに捕食する。
カモノハシは見た目から想像ができないほど、珍しい特徴をたくさん持った生き物でした。
馴染みのない生き物ですが、知るほどに興味が湧き、一度は目にしてみたくなりますね。